フリーランスの研究者として生きる

フリーランスの研究者をしています。大学、研究機関、企業、派遣の研究者以外にもフリーランスの研究者として働くことができます。自分のような人達が一人でも増えればと思っています。

研究オンエア「タンパク質発現」

どうも、フリーランス研究者のドクターフリーランスOです。

今回ですけども、研究オンエア「タンパク質発現」について書こうと思います。

 

その前に、私の専門である応用微生物学、生化学の概観を得るのに多くの書籍が出ていますが、個人的にはレーニンジャーの新生化学〈上〉レーニンジャーの新生化学 下をまるっとキャッチアップするのが良いと思います。数ある生化学系の本の中でこれをおススメするのは単純に私が読んだから。笑 それだけでなくて、他の本も読みましたが、化学的知見には再現性が大事な一方で、著者の思想が少なからず反映される段階があります。その点において、レーニンジャーの生化学はまっさらにというか、平坦に書かれていると感じたからです。

 

話がそれましたが、今回の「タンパク質発現」についてです。分子生物学実験などで、組換えタンパク質の発現・精製という言葉を聞いたり、実際に行なったことがいると思います。組換えタンパク質の発現はとても簡単です。わざわざ勉強せずとも、今の時代は、キットの説明書通りに操作すればおのずと組換えタンパク質の発現・精製を行なうことができます。

 

重要なのは、どのような組換えタンパク質の遺伝子配列の仕組み、発現の仕組み、精製の仕組みを理解して実験を行なうことです。組換えタンパク質の配列、サイズによっては発現がうまくいかないことがあったり、酵素の場合は活性がなかったりなど想定外の結果が起こりえます。想定外の結果から知見を得たり、次の一手を考えたりするには生化学的な知識が必要だと思います。生体内での分子挙動をイメージできるスキルは数値化して評価することはできませんが、優れた研究者にとても重要なことです。

 

タンパク質の発現というと、組換えタンパク質の過剰発現と互換される場合がありますが、天然のタンパク質の発現誘導も古くから行なわれています。ある条件化(例えば、化合物が過剰に存在する条件下)で菌を培養すると化合物を分解する酵素の発現が誘導されるなど。

 

現在は、遺伝子解析のスピード、価格低下が劇的に低下しています。バイオインフォマティクスが進行していくことで、遺伝子配列であらゆることを予測したり明らかにできるように思われがちですが、生体内では遺伝子が転写翻訳されタンパク質が生成されて、その後、様々な化合物と相互作用しています。現段階では、生体内の分子挙動はやはり研究者の想定スキルによる部分が多いですので、まるっと生化学の体系をキャッチアップしておくと良いと思います。

 

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