研究オンエア「大腸菌の培養方法」
今回ですけども、研究オンエア第一弾ということで「大腸菌の培養方法」について書こうと思います。
バイオ系の研究分野では、広く活用されているモデル微生物の一つ「大腸菌」。
組換えタンパク質の発現、クローニング、プラスミド調製など活用できる場面は多くあります。
大腸菌の培養方法に限らず、バクテリアの培養は、平板培養→前培養→本培養と段階的に行なうのが一般的です。大腸菌の菌株はグリセロールストックとして冷却保存されています。遺伝型を保持するために重要なことです。一方で、冷却した菌の中から生育が良いもの選抜する、菌を起こすという意味で一度平板培養して、大きなコロニーを形成した菌を釣ってきます。これが平板培養での菌を起こす作業。プラスミドを持っている大腸菌を培養する場合にはプラスミドに対応した抗生物質を添加するのを忘れずに。
次に、前培養です。少量の液体培地に植菌して、フルグロースさせます。実験目的によっては前培養、本培養と段階を経なくても良いですが基本的には前培養を行なって、本培養への植菌量を揃えた方が良いです。プラスミドを持っている大腸菌を培養する場合にはプラスミドに対応した抗生物質を添加するのを忘れずに。
本培養で条件を揃えるのは、再現性を重要視するからです。同じ条件の培養を3連で行なって平均値を取るのが一般的です。平板培養から直接ですと植菌量にブレが生じて単純比較できなくなってしまいます。めんどくさがらずに計画的に培養した方が結果的に早く実験が進むと思います。
培養を上手くするコツは、とにかく均一にするということです。培地の調製もまとめて作って分注することで濃を一定にする。前培養液をその都度攪拌してから本培養液に植菌するなど。一つ一つ丁寧に行なうことで綺麗な実験結果が得られ、僅かな違いから新しい発見や可能性を見出すことができると思います。テクニカルエラーで新しい発見が埋もれてしまってはもったいないです。
ここまでお読み頂きありがとうございます。ざっと書いてみましたが、細かい点などは質問頂ければ回答します。とは言ってみたものの、たくさんの本などが出ているのでそちらを読んでもらった方が早いかもしれませんね。笑 寝ながら情報収集用ということで。研究オンエア「大腸菌の培養方法」でした。
オンラインで知知の技術は習得して、新しい発見をどのようにしていくかに時間やエネルギーを注いで欲しいと思っています。Twitterもやっているのでよければフォローよろしくお願いいたします。